クレアティオ法律事務所は、不動産問題に特化した事務所です。

借地権に絡む問題

〜借地権をめぐる様々の問題とは〜

  • 借地上の建物を売却したいが、地主の承諾(承諾料)は必要か。
  • 所有権に比べて資産価値がどの程度低いのか。
  • 借地上の建物を相続した場合どうすればよいか。名義書換料を請求されたが払わなければならないのか。
  • 借地上の建物を建て替えたいと言われたが、承諾しても問題はないのか。
  • 借地上の建物を増改築したいが、地主に承諾料を払わなければならないのか。
  • 地主の承諾料の相場はいくらくいか。
  • 設定期間が満了を迎えるので、借地権を更新せずに、土地を帰してもらいたいのだが。
  • 更新時に、普通借地権を定期借地権に切り替えたいのだがどうすればよいか
  • 地主側より、次回の更新の際に借地契約を切り替えないか?という提案を受けたが、更新とどうちがうのか。

 

1.借地権とは

 「建物を所有する目的で、他人の土地を利用する権利」のことです。簡単に言うと、土地を借りる権利のことです。なお、借地権の付着した土地の所有権は底地と呼ばれます。

 

2.旧法借地権と新法借地権の違い

 現存している借地権には2種類あり、旧法による借地権(H4.7.31時点ですでに借地契約が成立していた借地権)と平成4年8.1に施行された新法による借地権(H4.8.1以降に借地契約が成立した借地権)とに区別できます。

 今現在でも旧法による借地権の契約が多く、しかも、旧法による借地権は、契約自体を新たに取り交わさなければ、新法が適用される借地権には切り替えることはできないため、旧法による借地権と新法による借地権が混在している状況は今後も続いていくことになります。

 両者は、存続期間等に違いがあるため、借地権を相続した方などは、契約書を確認するなどして、当該借地権が旧法と新法のどちらの契約になっているのか必ず確認をしてみることが重要です。

 

3.旧法上の借地権(H4.7.31時点ですでに借地契約が成立していた借地権)

 旧法は借地上の建物を堅固建物(石造、土造、レンガ造、コンクリート造、ブロック造等)と非堅固建物(木造等)の2種類に区分し、これに応じて借地権の存続期間を規定しています。借地権の存続期間はあらかじめ定めなかった場合において、前者(堅固建物所有)を60年、後者(非堅固建物所有)を30年と定めています。

 更新後の存続期間についても、前者で30年、後者で20年です。この期間中に建物が朽廃したときには借地権は消滅します。借地権の設定契約において、建物の種類、構造を定めなかった時には、非堅固の建物の所有を目的とするものとみなされます。

 また、借地権設定契約において存続期間を堅固建物で30年以上、非堅固建物で20年以上と定めた場合には、例外的にこの合意が優先され、借地権は定められた期間で消滅します。しかし、この場合において建物が朽廃しても借地権は消滅しないものと解釈されています。

 更新の際に、旧法の借地権を新法の借地権に切り替えることは原則としてできず、これをするには更新ではなく、新たに借地契約を締結する必要があります。この契約がH4.8.1以降であれば、新法上の借地権に変わります。

 

4.新法上の借地権(H4.8.1以降に借地契約が成立した借地権)

借地権設定時、存続期間は30年、更新後20年(2回目以降の更新では10年)となります。借地権者側の利益が強く守られており、地主側の更新拒絶、建物明け渡し、更地返還などは正当事由がないと認められません。また、立ち退き料などを払って更新拒絶の正当事由を補強しなければなりません。さらに、更新拒絶の申入れをしたとしても、期間満了後、借地人が土地を継続して利用しているにもかかわらず、地主が異議を述べないと、従前の借地契約が更新されたとみなされます(法定更新制度)。

借地権の存続期間の満了時に契約が更新されず、借地人が土地を明け渡さなければならないという場合は、借地人は地主に対して建物を時価で買い取るよう請求できるので(建物買取請求権)、建物を収去する義務を免れます。

 

5.定期借地権

 新法下の借地権は、更新ができる普通借地権と更新ができない定期借地権とに分かれます。

 「普通借地権」は旧法下の借地権のように法定更新制度があるため、貸した土地が永久に返ってこないという問題があります。

 しかし、「定期借地権」は、期間満了後は更新が無く、地主に土地を返還する必要があります。しかも、普通借地権のように借地権の法定更新や建物買取請求権などは認められていません。このように同じ新借地法による借地権でも種類によって大きく違います。よって、借地権が絡んだ不動産を売買するときは、新法・旧法どちらに基づく借地権かだけでなく、定期借地権か否かについても必ず確認してください。

 定期借地権は、一般定期借地権(50年以上)、建物譲渡特約付借地権(30年以上)、事業用借地権(10年以上50年未満)の3種類に分類されます。

 

6.借地上の建物の譲渡・増改築 

地主の承諾が必要です
<譲渡の場合>

 借地上の建物を譲渡する場合、通常、借地権も一緒に譲渡されたことになります(借地権がないと建物を保有することができないからです)。そして、借地権の譲渡には地主の承諾が必要ですので(民法612条1項)、借地上の建物を譲渡する場合には、地主の承諾が必要ということになります。この際、通常、地主は承諾料(借地契約の名義書換料ともいう)を要求してきます。
なお、「譲渡」には相続は含まれないので、相続により借地上の建物を取得した場合には、相続人は借地契約の名義書き換えを地主に請求することができます。よって、名義書換料の支払いは不要です。

 

<増改築の場合>

 借地契約上、無断増改築が禁止されている場合、増改築するには地主の許可が必要です。かかる禁止特約がない場合でも、建物の種類・構造・規模・用途など借地条件の変更につき、制限がある場合は、やはり地主の承諾が必要です。

 

地主の承諾が得られない場合は?

 地主の承諾が得られない場合は、裁判所に申し立てて、地主の承諾に代わる許可を与えることができます。裁判所は、許可を与える条件として、借地条件の変更(地代の増額)を命じたり、借地人に承諾料の支払いを命じたりすることができます(借地借家法19条1項)。

 

買受人の建物買取請求権(借地借家法14条)

 借地人が地主に無断で譲渡をした場合、元の借地人が地主もしくは裁判所から許可を得ない限り、建物の買受人は、そのままでは建物を撤去して土地から出て行かなければなりません。

そこで、買受人は、地主に対して、譲渡を承諾するか建物を時価で買い取るよう請求できます。

 

7.借地権上の建物の建て替え

 借地権の最初の存続期間中で、残存期間が少なくなってきた時点で、建物が老朽化したため、取り壊して建て替える場合、もし建て替え後の建物は、残存期間を超えて存続することが確実な場合、地主の承諾の要否が問題となります。

 

平成4年7月31日以前に成立した契約の場合

地主が遅滞なく異議を述べない場合

建物を取り壊して建て替えたことに対して、地主が遅滞なく異議を述べない場合、借地権の存続期間が延長されます。

延長後の存続期間は、建物を取り壊した日から起算し、堅固な建物についての契約の場合は30年間、非堅固な建物についての契約の場合は20年間です。(旧借地法7条)

地主が遅滞なく異議を述べた場合

存続期間の延長はありません。

ただし、法定更新の可能性があります

平成4年8月1日以後に成立した契約の場合

地主の承諾があった場合

建物を取り壊して建て替えることを、地主が承諾した場合は、借地権の存続期間は延長されます。

延長後の存続期間は、建物の構造に関係なく、承諾があった日または建物が建て替えられた日のいずれか早い日から20年間です。(借地借家法7条1項)

地主の承諾があったとみなされる場合

借地人が地主に対して、建物を建て替える旨通知し、地主が2カ月以内に異議を述べない場合は、地主の承諾があったものとみなします(借地借家法7条2項)。

この場合は、上記同様、借地権の存続期間が延長されます。

上記以外

存続期間の延長はありません。

 

8.借地契約の解除

借地人に契約違反行為があれば、地主は借地契約を解除できます。

 主な契約違反行為としては、(1)地代の不払い、(2)用法・使用目的違反、(3)増改築制限特約がある場合の無断増改築、(4)借地権の無断譲渡・無断転貸などがあります。

 ただし、これらの契約違反行為があっても、それによって、地主と借地人の間の信頼関係が破壊されたと認められなければ、地主による契約解除は認められません(民法541条)。

 信頼関係が破壊されたと認められるか否かは、違反の程度・態様その他の事情から、総合的に判断します。

 契約違反(借地契約上の債務の不履行)により契約が解除され、借地を明渡す場合には、建物買取請求権は認められませんので、借地人は建物を収去して明渡す必要があります。

 

9.借地権の評価額について

借地権も財産権である以上、相続の対象となります。

 そこで、相続税額を決定するにあたり、借地権の相続税評価額が問題となりますが、土地の相続同様、国税庁が定めている路線価が参考とされます。

  結論から言うと、借地権割合は、旧借地法での借地権ですと、路線価の30%〜90%になります。具体的には、普通の住宅地では借地権割合は60%程度、商業地では70〜80%(東京の商業地なら90%)になることが多いようです。

 ただし、新しく創設された住宅用地などの定期借地権は、権利期間がほとんどの場合50年〜51年になりますから、相続税評価額についても、必ずしも純粋に借地権割合が適用されるわけではありません。よって、「定期借地権等の価額は、原則として、課税時期において借地人に帰属する経済的利益及びその存続期間を基として評定した価額によって評価します。」とされています。

 

6.クレアティオ法律事務所の「借地権に絡む」不動産問題サポート内容

 借地権に関わる相続問題は、借地権に詳しいクレアティオ法律事務所にご相談ください。

 当法律事務所は、「次世代へのスムーズな資産継承」を1つのミッションに掲げ、土地問題と相続問題を一挙に円満解決できるような相続コンサルティングサービスを行っております。

 相続人が多数となって遺産分割が紛糾する案件や「困った相続財産」の典型と言われる底地・借地権・農地や小作地の相続についても、相続不動産の整理や活用方法などを含め、いろいろな要素を考慮した分割協議の方法をご提案することができます。クレアティオ法律事務所は、相続問題の経験はもちろん、不動産に特化した法律事務所ですから、不動産問題・相続問題にお困り方々の「リーガルパートナー」として、皆様を支え、その悩みを解決に導く自信を持っております。

 また、本質となる問題点の解決にとどまらず、遺産分割・承継に付随するさまざまな手続き・交渉、そして、相続税対策も含め、ワンストップ・トータルサポートを行っておりますので、ご安心してご相談ください。

 

『セカンドオピニオンの勧め』

 借地権問題や相続問題でお悩みの方。これらは重要な問題ですから、専門家の意見は複数取って比較することが不可欠です。たまたま知り合いに弁護士がいたから相談した、税務を依頼している税理士に相談して決めたという方は多いのですが、それらの方々が本当に不動産や相続の専門家であるかどうかはわかりません。もし、そのような専門家が不動産問題や相続問題に詳しくなかったとしたら、それが本当に最適なアドバイスかどうかは疑問です。弁護士や税理士にも、医者と同じように専門分野があるのです。

 当事務所は、不動産問題や相続問題に関するセカンドオピニオンについても、ご相談に応じております。